25年ぶりの「もえぎ野公園」でウキ釣り
横浜市の藤が丘にある「もえぎ野公園」。園内には体育館ほどの広さの池があり、よくルアー釣りをしたものだ。当時中学生の分際につき、電車賃+おやつ代で1,000円で収まり、定期的に行けるルアー釣りツアーにもってこいの場所だった。母親に弁当をこしらえてもらい、始発電車に乗る。早朝のまだ暗い中、待ち合わせ場所に親友の姿を見つけた時の嬉しさや楽しさは、今でもカンタンに思いだせる。毎回この日のために、必要以上に持ち物チェックをし合い、買えもしないのに釣り具屋さんを見て廻っておのおのテンションを上げてくる。釣行前夜には、大魚に水中まで引きづり込まれる夢をよく見たものだ。道具はみんなメチャクチャ。“舟釣り”と大きくロゴの入った竿を器用に使ってる者や、どこで買ってきたのか外国製の超豪華なシェイクハンドのロッドにいかにも安そうなスピニングのセットだったり、。そして、なにより不格好な手作りプラグルアー。しかも、いうまでもなく腕もない。無論ここでの釣果はゼロ、、その日までは。。
そう、その時は突然やってきたのだ。タモツの自作の自慢のプラグ“サネリーV2”にバスがヒットしたのだ。当時380円くらいで販売されていたコネリーというプラグに少しだけカタチが似ていたので、そう名付けたらしい。なぜ“サ”なのかは今でもわからない。正直言って左右非対称、仲間内で一番完成度が低い代物だった。池岸に轟く低音で声にもならないタモツの“オッオッオッ”。約3メートル前方の2本の杭の辺りでのヒットだった。みな竿を放り出しタモツを見守る。足下まで来たバスは約20センチ。それでも祝福の嵐だ。しかし、喜びもつかの間、バスはサネリーV2から離れ沖へスイスイ。。悔しがるタモツに集まる親友。トリプルフックが引っ張られバルサが変形しまくったサネリーV2。悔しさもおさまり、満足げにサネリーV2を眺めるタモツ。本当に嬉しそうだった。。それから、後にも先にも、自作プラグでヒットさせた奴は、タモツだけだ。あんな擦れっ枯らしの池のバスをヒットさせるなんて、スゴイぜ!タモツ。。また行こうな。
あれから25年。草野球のマネジャーさんが紹介してくれたお仕事。クライアント先は藤が丘。聞いた時かなり動揺した。藤が丘??しかも詳しく調べたら「もえぎ野公園」のすぐそば。。。今まで神奈川県からのお仕事は皆無だっただけに、神奈川初のお客さんがピンポイントで慣れ親しんだ「もえぎ野公園」そば、ということに驚いたし感慨深いものがあった。生前、同じ病棟の患者さんや看護婦さんに、フリーとなったオレの、初めて作った名刺を配って廻って、仕事をあたってくれていたタモツ。ひょっとして、今でもオレを応援してくれてるのか、。。この仕事は絶対ハズさないゾと思った。
三連休の最後の祝日の昨日。藤が丘のクライアント様から頂いた最初のお仕事が無事終了。入稿データをCDに焼いて配送した後、娘に、お魚釣り行く?と聞いてみた。もちろん二つ返事でニッコリ^^。25年ぶりの「もえぎ野公園」での釣り。暖かい西日につつまれて、感謝の気持ちの中、娘と楽しいウキ釣りをしました。ありがとう。