47話 救い出せ!その2
慌てるな慌てるな。
ほれ、これでどうだ。
「うん。ずいぶん体が軽くなったよ。」
だろ。
夜通し削ってやったよ。
「でもなんか、唇が重いんだよなぁ。」
慌てるな慌てるな。
いま救い出してやるから。
「救い出す? そんな気ないでしょ?」
あるさ。でもな、
救い出される努力も必要と思うぞ。
「う〜ん、じゃあマーキングの量を減らすよ。」
量じゃなくって回数を減らしてくれよ。
「慌てるな慌てるな。」
おいおい、それはこっちのセリフだ。
「御意。」
さて、寝ますか。
「は〜い。おやすみ。」
慌てるな慌てるな。
「え、寝る前のオヤツかな?」
そんな習慣はない。
「ちぇっ…。」
おまえは諦めがはやいな。感心感心。
「あれ、視界がひろがったような…。あれれ?」
うむ。救い出してやったぞ。
「ワ〜イ^^!」
救い出された感想はどうだ。
「欲を言えば…、毛が欲しいかなぁ〜。」
おいおい、それはこっちのセリフだ。
「御意。」
「ウヒョ〜〜^^! 」
いいか、また悪さをしでかしたら…、わかってるよな。
「は〜い^^!」
「ところで、いま手に持っているのは何?」
これか?
ひと回り大きなおまえだ。
「ひょえ〜、まだ悪さしてないよ〜〜><!」
勘違いするな。
これは、オレのために彫るおまえだ。
鼻先からシッポまでおまえのすべてを
オレの筋肉に叩き込むためだ。
「…ずっと、覚えておいてね。」
柴犬ペロォ
2011.6.24生まれ♂。本名「夏の黒政号」
娘さんデザインのダンボール造新築一戸建てから、
ケージ、ソファ、階段…、転々としている。
趣味の洗濯物の上でオシッコすることはとっくに卒業。
現在の趣味は、、寝ることかな。