77話 スダジイさん。
ここ若林公園のスダジイ群は、
世田谷百景、名木百選にもなっている、
ご立派なスダジイさん達。
秋になると、公園の生き物たちに
素朴なお味の椎の実を
いっぱい落としてくれた。
一昨年の終わりに、
はじめてこのスダシイさんの椎の実を
持ち帰って食べた。翌朝もその次の朝も。
百粒、いや三百粒は味わった。
「旨い」ほどではなく「食べれる」という歓びから
夢中で拾い集めて持ち帰った。
とくに写真のスダジイさんはイイ実を落としてくれた。
ふっくらと大粒で、色濃くて、、。
いちばん拾い応えのある木だった。
けれど翌年、
このスダジイさんに張り紙が付いた。
正直、せっかく仲良くなれた友達から突然、
転校の話を切り出されたようなやるせない気分だった。
スダシイさん、、
体、弱ってたんか。。
頑張ったね。うん、美味しかった。
最後の最期に味わうことができてよかったよ。
ありがとうね。。
こうして、このスダジイさんは
もう二度と、椎の実をポロポロ落として、
人間や鳥を喜ばすことができなくなりました。
しかし、、。
「父さ〜ん、そんなとこ登っちゃキケンだよぉ。。」
「しょうがないなぁ〜。。」
「えっとぉ、、どのルートがいいかなぁ。」
「・・・・・、」
「ヨイショっと!・・・狭いなぁ、、」
「モゾモゾ……」
「クルリン、、」
「、、パっと。」
「オイラをひとりにするなよぉ、父さん。」
「おいおいっ、
ひとりにするなって言ってるそばから
ひとりにするなってぇ・・。
せっかく登ったのに。。」
スダジイさんは今も
オレたちを楽しませてくれている。
ずっと友達^^。
柴犬ペロォ
2011.6.24生まれ♂。本名「夏の黒政号」。
娘さんデザインのダンボール造新築一戸建てから、
ケージ、ソファ、階段…、転々と寝場所を変えている。
趣味の洗濯物の上でオシッコすることはとっくに卒業。
現在の趣味は、、お友達と公園で遊ぶことさ!