218話 カップヌードル。

なあペロよ。

いま何食べたい？

「そうだね〜、

　練乳かな。」

おいおい、練乳は

食べるものじゃないぞ、

吸うものだ。」

「そうだったね。

　じゃ、父さんは今、

　何を食べたいんだい？」

カップヌードルの一択だ。

「カップヌードル？」

ああ、

冷たい雨に打たれた後は

カップヌードル、もちろん

専用フォークでな。

若い頃、

プールサイドで食べた味が

忘れられないんだ。

今みたいな冷えた体に、

そりゃもう染み渡ってな。

ちなみに、カップヌードルは

具もイケるんだ。

湯を入れる前に

サクサク食べても旨い。

昨今のカップ麺との

大きな差はソコだ。

あまり旨くもない

ペラッペラの

チャーシューモドキは

いらないから、

十本くらいの麺に

還元してほしいものだ。

最終的にゴミになる

細かな具材の袋類も、

五本くらいの麺に

還元してほしいものだ。

と思う今日この頃だ。

続けるぞ。

「・・・。」

カップ内側に彫り込まれた

湯を入れる目安のラインが、

低い、低すぎる。。

それならカップを小さくして

さらに五本くらいの麺に

還元してほしいものだ。

湯は、昔っから

いっぱいいっぱい注ぐ派。

というか、

汁でなんとか腹一杯にしたい派。

だからカップギリギリを攻める派。

できれば表面張力も期待したい派。

当たり前だが、

濃厚をうたっている

イマドキのカップ麺も

劇的に水っぽくなり、麺は

水槽の水草の如く涼しげ。

そんな父さんのワガママを

聞いてくれるのが

カップヌードルなんだ。

湯をギリまで攻めてフタを閉じ、

三分、いや四分半待つ。

すると、、

麺はアルファルファの如く

こんもりとボリュームアップ。

それでいて汁が薄まったような

ダメージはない。

推測だが、、麺は汁の中の

余計な湯分だけを頼りに

息を吹き返したのではないか。。

「・・・。」

ここまで持ち上げてなんだが、、

大昔に父さん、

隠れてカップヌードルや、

ベビースターを食べ続けた結果、

決まって深夜に、謎のボツボツが

身体中に出るようになってな。

ドクターに、

成長期にそのようなものばかり

食べさせないでください。

なんて言われちゃってな。

ドクターじゃなくても分かるだろ

って診断にお金を使わせて、

しょぼ〜んとまでさせちゃって、

申し訳なかったなぁ、、

なんて、

今ごろ反省しちゃったりして。。

「帰ろっか、父さん。」

うん。

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柴犬ペロォ

2011.6.24生まれ♂。本名「夏の黒政号」。
娘さんデザインのダンボール造新築一戸建てから、
ケージ、ソファ、階段…、転々と寝場所を変えている。
趣味の洗濯物の上でオシッコすることはとっくに卒業