
渓流釣りが禁漁となった。。何だか生活に張りが無くなったような気がする。
ポカンと渓流関係のサイトを眺めていると、竹細工の魚籠(びく)作りのサイトに出くわした。
始めは「器用な人も居るものだなぁ。。」なんて眼で流していた。
しかし製作工程をのんびり追っていくうちに、
一瞬、オレでも作れるのでは、、という野望がよぎった。
タバコに火を付け身を乗り出す。
今年の渓流釣りに使用した魚籠は、100円ショップで買ってきたポリエステルの巾着袋。
数カ所に穴を開けて通気性を持たせた、実にミットモナイ間に合わせだった。
竹の魚籠は買うと何万もするし、なんといっても伝統工芸品だ。
まだまだ初心者の自分には恐れ多いアイテムだ。
その竹魚籠作りにチャレンジできる?
まさに野望級の趣味だ。
このオフシーズン全てを費やすのに、有り余る贅沢。
それから何度もこのサイトを読み返し、頭の中ではすでに5個以上の魚籠が完成していた。
竹魚籠には真竹がいいらしい。
近くの竹薮は孟宗竹。しかたなく購入を考える。
ネットで見つけた青山の竹材店に行ってみる。
店主にこの野望をこっそり打ち明けると、
申し訳ないくらいの立派な真竹をチョイスしてくれた。
素人が手を掛けるにはもったいない、真っすぐで太い真竹だ。
工具(竹割りナタ、ゴムのとんかち、小刀)はすでにホームセンターで購入済み。
持ち帰った真竹を適当な長さに切り分ける。
なんとも素敵な切り心地。
さて、竹ヒゴ作りにとりかかろう。と、その前にすることがある。
「油抜き」という工程だ。

↑油がしみ出て、色が変わっていく様子。
竹の中の油を好む虫を寄せ付けなくするためだ。
台所のコンロで炙って、出てきた油をすばやく拭き取る作業。
思いのほか作業は手際よくやれたと思う。
ただ、竹がかなり熱くなるので
次回はそれなりの手袋があると作業はよりスムーズになるだろう。
この工程で、実に緑緑していた色が、牛乳をかけたような薄い色に変わる。
全てが初めてのことだから、一工程毎に湧く達成感が進行を妨げる。

↑粗熱をとる間、ピシピシと竹から心地イイ音が聞こえる。
約二週間、駐車場の影で乾燥。
乾燥とは聞こえがイイが、ただ、仕事で進行が止まってただけ。
さて、いよいよ次は竹を割ってみよう。
ん?筒の中を見ると青カビが発生している。。やばい。。
風通しが悪かったためだろう。急いで竹割りの準備にかかる。
なにせ初めての竹割り。
慎重になるところを青カビ発生で少々慌て気味にナタを竹にあてる。
丁度半分の位置にナタの刃をあて、上からゴムとんかちで軽くたたく。
イメージでは、2.3回たたけば、ピシピシーッと簡単にまっすぐ割れてくれるはずだった。
ところが、結構地道にトントンというか、ガンガンたたいてやっと真っ二つに割れる感じ。
きっと乾燥が足りなかったのだろう。乾燥工程を甘くみていたか。。

↑ここまでですでに何十回もたたいている。
しかししかし、さすがに竹。
想像以上に割れ終わる時の音が大きく気持ちが良かった。
そして、割った竹の中のカビを、乾いたタオルでキレイに拭き取った。
少し乾燥させるべく、愛車の屋根にひろげた。
今日のところはココまで。
今後は毎日、竹をチェックしよう。
