ペロにどっぷりつかって早四年。
毎日朝夕の散歩（雨でも雪でも戦でも休まず）、
月一のしつけ教室（初心を忘れないために）、
ペロエッセイ240ページ完成（ダメもとで売込中）、
そして、犬の木彫り（見よう見まね）。。
犬に対して、まさかこれほどの集中力をもって
生活することになるとは思ってもなかった。
幼い頃の夢が早々に叶っていたら
本業も違ったものだったかもしれない。
なあペロよ。
おまえを無心で彫ってたら手のひらが筋肉痛になったよ。
なぜか右手の中指の先の感覚もおかしいよ。
うん、自分の体を久しぶりに道具と思えたよ。
その凝り固まった手で撫でるおまえが
柔らかいことったら…。
柴犬ペロォ
2011.6.24生まれ♂。本名「夏の黒政号」
娘さんデザインのダンボール造新築一戸建てから、
ケージ、ソファ、階段…、転々としている。
趣味の洗濯物の上でオシッコすることはとっくに卒業。
現在の趣味は、、寝ることかな。
慌てるな慌てるな。
ほれ、これでどうだ。
「うん。ずいぶん体が軽くなったよ。」
だろ。
夜通し削ってやったよ。
「でもなんか、唇が重いんだよなぁ。」
慌てるな慌てるな。
いま救い出してやるから。
「救い出す？ そんな気ないでしょ？」
あるさ。でもな、
救い出される努力も必要と思うぞ。
「う〜ん、じゃあマーキングの量を減らすよ。」
量じゃなくって回数を減らしてくれよ。
「慌てるな慌てるな。」
おいおい、それはこっちのセリフだ。
「御意。」
さて、寝ますか。
「は〜い。おやすみ。」
慌てるな慌てるな。
「え、寝る前のオヤツかな？」
そんな習慣はない。
「ちぇっ…。」
おまえは諦めがはやいな。感心感心。
「あれ、視界がひろがったような…。あれれ？」
うむ。救い出してやったぞ。
「ワ〜イ＾＾！」
救い出された感想はどうだ。
「欲を言えば…、毛が欲しいかなぁ〜。」
おいおい、それはこっちのセリフだ。
「御意。」
「ウヒョ〜〜＾＾！ 」
いいか、また悪さをしでかしたら…、わかってるよな。
「は〜い＾＾！」
「ところで、いま手に持っているのは何？」
これか？
ひと回り大きなおまえだ。
「ひょえ〜、まだ悪さしてないよ〜〜＞＜！」
勘違いするな。
これは、オレのために彫るおまえだ。
鼻先からシッポまでおまえのすべてを
オレの筋肉に叩き込むためだ。
「…ずっと、覚えておいてね。」
柴犬ペロォ
2011.6.24生まれ♂。本名「夏の黒政号」
娘さんデザインのダンボール造新築一戸建てから、
ケージ、ソファ、階段…、転々としている。
趣味の洗濯物の上でオシッコすることはとっくに卒業。
現在の趣味は、、寝ることかな。
「………。」
ペロ、眠いなら横になれよ…。
「…。」
心配してるのか。
「…？」
大丈夫。
心地よい筋肉痛だ。
「…。」
おまえと自由になるためだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「苦じいぃよ〜〜＞＜。」
待ってろ、この木の中からおまえを助け出してやるから。
「…うぅ。」
しかし固い木だな…。
「重いよぉ、、早くぅ〜。」
さてはペロよ、相当の悪さをしでかしたようだな。
「エヘヘ。バレた＾＾？」
三蔵法師でもおまえを助け出すのは容易ではないぞ。
「しょぼ〜ん…。」
どうだ。身軽になったろ。
「え、ウソでしょ？ これで助け出したつもり？？」
うん、おまえはこのくらいで丁度いい。
「え〜！全身、緊箍児で縛られてるみたいだよ〜。」
慌てるな慌てるな。
どうだ、キリっとハンサムになったぞ。
「う〜ん、でもノッペラボウだよぉ。お友達が怖がっちゃうよぉ。」
慌てるな慌てるな。
どうだ、顔を描いてやったぞ。
「あ！ テキトーに描かないでよ〜！」
ん？ こんな顔じゃなかったっけ？
「それに、こんな体じゃ、お友達にケガさせちゃうよぉ。」
慌てるな慌てるな。
どうだ。角をとってやったぞ。
「あ、ノッペラボウに戻ってるよ〜〜＞＜！」
慌てるな慌てるな。
つづく
柴犬ペロォ
2011.6.24生まれ♂。本名「夏の黒政号」
娘さんデザインのダンボール造新築一戸建てから、
ケージ、ソファ、階段…、転々としている。
趣味の洗濯物の上でオシッコすることはとっくに卒業。
現在の趣味は、、寝ることかな。
渓魚。はじめて触れたのは20年くらい前の秋川渓谷だろうか。親友が奇跡的に釣り上げた小さな山女。憧れでしかなかった山女が、ハヤ狙いの竿にかかった。まさに山女。感動的な質感。しばらく二人の手にあった山女は、少し先の滝に向かって還っていった。しばらく竿を置き、煙草に火を付けながらの親友の歓喜が今でも甦る。本当に素敵な思い出。
俺と親友と山女。あの小さな山女はとうに居ない。そしてあの小さな思い出を懐かしめるのは、10年前から俺ひとりになってしまった。
また山に入って渓流に立てばヤマメと会える。このヤマメたちにとっては遠い遠いご先祖様か。感動をもらい、素敵な時間を過ごした。
さてヤマメ諸君。今日も思い出話を聞きにきてくれ。
